018 / 126

名詞

名詞の前に置く冠詞

a / an / the

説明

冠詞の a / an / the は、名詞がどのものを指すかを示します。聞き手が対象を特定できるかと、名詞の数え方に注目します。

「ある1冊の本」は a book、相手もどの本か分かる「その本」は the book のように表します。初めて話題に出すものでも、状況からどれか分かれば the を使えます。

特定しない単数の可算名詞には a / an、特定できるものには単数・複数・不可算のいずれでも the を使えます。複数名詞や不可算名詞を特定せずに述べるときは、冠詞を付けない形も使います。

a と an は直後の単語の発音で決めます。母音の音なら an、子音の音なら a です。

冠詞を選ぶ順序
  1. my / this などを名詞の前に置く?

    選ぶ形
    置く → 冠詞を重ねない / 置かない → 2へ
  2. 相手がどの名詞か特定できる?

    選ぶ形
    分かる → the + 名詞 / 分からない → 3へ
  3. 数えられる単数名詞?

    選ぶ形
    はい → a / an + 単数の可算名詞 / いいえ → 冠詞なしや some などを使う
  4. a / an を選んだら、後ろは母音の音?

    選ぶ形
    母音の音 → an / 子音の音 → a
まずは普通名詞の基本から
この順序は book / water などの普通名詞を使うときの基本です。 固有名詞や go to school などの決まった表現は、後のセクションで確認します。

今回のゴール

  • a / an・the・無冠詞を「不特定・特定・種類全体」の判断軸で使い分けるルールを理解する
  • a と an の選び方は綴りでなく後ろの単語の発音で決まることを理解する
  • the を使う場面(既出・唯一・楽器・方角など)のルールを理解する
  • 冠詞を付けない場面(食事名・スポーツ名・固有名詞・施設の目的など)のルールを理解する

冠詞の使い分け

ゴール

a / an・the・無冠詞を「不特定・特定・種類全体」の判断軸で使い分けるルールを理解する

冠詞は、名詞が不特定か特定かで使い分けます。選択肢は a / an・the・無冠詞の3つで、聞き手がどれか特定できない単数の可算名詞には a / an、お互いに分かるものには the、複数の名詞や数えない名詞で「種類全体」を指すときは 無冠詞を使います。

初めて紹介する1冊の本には a book、前に紹介した同じ本には the book を使う、という流れが基本です。初出かどうかは手がかりの1つです。 初めて言う Open the door, please. でも、どのドアを開けるか相手に分かれば the を使います。 逆に、同じ単語が再び出ても別のものを指すなら a / an を使えます。

特定しない1つ
a / an + 単数の可算名詞
特定できるもの
the + 単数名詞・複数名詞・不可算名詞
種類全体を表す基本の形
冠詞なし + 複数名詞・不可算名詞

例文

a book(初めて出す本)

I have a book.

私は本を1冊持っています。
解説
a book は、どの本か相手が特定できない1冊の本です。そのため a を使います。
a → the(2回目に出す本)

I bought a book. The book is on my desk.

本を1冊買いました。その本は私の机の上にあります。
解説
the book は、前の文で出てきた a book をもう一度指しています。どの本か分かるので the を使います。
無冠詞(種類全体)

I like books.

私は本が好きです。
解説
特定の本ではなく、本という種類全体が好きだと述べています。 books と複数形にして、冠詞を付けません。

the my bag

my bag

the は「どのものか特定する」語ですが、my / your / his なども所有者を特定します。my bag だけで特定できるので、the は付けません。

理解度チェック

the を使うのはどんな場面ですか。

a と an の選び方

ゴール

a と an の選び方は綴りでなく後ろの単語の発音で決まることを理解する

a と an の使い分けは、綴りではなく発音で決まります。母音の音で始まる単語には an、子音の音で始まる単語には a を使います。たとえば an hour は h を発音しないので母音の音で始まり、a university は最初が「ユ」の出だしに当たる /j/ という子音の音なので、綴りが u で始まっていても a を使います。

名詞の前に形容詞があれば、その形容詞の最初の音で決めます。 a book に old を付けると an old book になります。

a と an の使い分け
後ろの音冠詞
母音の音(ア・イ・ウ・エ・オのような音)
冠詞
an
an apple / an hour / an elephant
子音の音
冠詞
a
a book / a university / a uniform

例文

an(母音)

An hour is 60 minutes.

1時間は60分です。
解説
hour の h は発音せず、母音 /aʊ/ で始まるため an を使います。
a(子音)

She is a university student.

彼女は大学生です。
解説
university は最初が /j/ の子音の音で始まるため、綴りが u でも a を使います。
an(母音)

An elephant is big.

ゾウは大きいです。
解説
elephant は母音 /e/ で始まるため an を使います。

a hour

an hour

a / an は「発音」で判断します。hour は母音の音から始まるので an hour です。university は子音の音で始まるので a university です。

理解度チェック

「an hour」で an を使うのはなぜですか。

the を使う場面

ゴール

the を使う場面(既出・唯一・楽器・方角など)のルールを理解する

the は、話し手と聞き手の間で「どれか」が分かるものに使います。世界に一つしかないものとして共有されている太陽や月、前に話題に出た同じものが代表例です。 また、その場にあるドアのように、状況からどれか分かるものにも使います。 play the piano のように、慣用的に the を使う表現もあります。

the を使う主な場面
場面
聞き手にもどれか分かるもの
Open the door, please.
世界に一つしかないものとして共有されているもの
the sun / the moon / the earth
楽器の演奏
play the piano / play the guitar
前に話した同じもの
I have a cat. The cat is cute.
方角
in the east / to the north

例文

the(唯一のもの)

The sun rises in the east.

太陽は東から昇ります。
解説
太陽は、私たちの世界に一つしかないものとして共有されています。 初めて話題に出しても、どの太陽かお互いに分かるので the sun と言います。 the moon や the earth も同じ考え方です。
the(楽器)

She plays the piano every day.

彼女は毎日ピアノを弾きます。
解説
楽器を演奏することを表す基本の形として play the + 楽器名を覚えます。 ここでは特定の1台のピアノを指しているとは限りません。
a → the(2回目)

I have a cat. The cat is cute.

私は猫を飼っています。その猫はかわいいです。
解説
1文目の a cat と同じ猫を2文目で指すので the cat にします。
the は複数名詞・不可算名詞にも使える
the books on my desk は「私の机の上の本」、the water in this bottle は「このボトルの水」です。対象を特定できれば、複数名詞や不可算名詞にも the を付けられます。
理解度チェック

「I have a cat. The cat is cute.」の2文目で the を使うのはなぜですか。

冠詞を付けない場面

ゴール

冠詞を付けない場面(食事名・スポーツ名・固有名詞・施設の目的など)のルールを理解する

複数の名詞や、water のように 1 つ 2 つと数えない名詞で種類全体を述べるときは無冠詞が基本です。 have breakfast / play soccer のような表現や、多くの固有名詞も冠詞なしで使います。 go to school のような形は表現ごとに覚えます。

無冠詞は種類全体だけに限りません。I bought books yesterday. は「昨日本を買った」という具体的な出来事ですが、どの本かを特定していないので冠詞を付けていません。

無冠詞になる場面
場面
複数名詞で種類全体を表す
I like apples.
不可算名詞を特定せずに使う
I drink water.
食事をする基本の表現
I have breakfast.
スポーツをする基本の表現
I play soccer.
多くの固有名詞
Tom / Japan / Mount Fuji
通学を表す go to school
She goes to school.

例文

無冠詞(種類全体)

I like apples.

私はリンゴが好きです。
解説
複数の形で「リンゴという種類全体」が好き、と述べています。複数の名詞には a を付けません。
無冠詞(施設の目的)

She goes to school every day.

彼女は毎日学校に行きます。
解説
go to school は生徒として通学することを表す表現です。 特定の学校を行き先として述べる go to the school も正しい表現です。
the school:特定の学校を訪れる

She went to the school to meet her son's teacher.

彼女は息子の先生に会うために、その学校へ行きました。
解説
息子の通う特定の学校を行き先として示しています。 go to school との違いは、通学として述べるか、特定の学校への訪問として述べるかです。
無冠詞(食事名)

I have breakfast every day.

私は毎日朝食を食べます。
解説
朝食を食べる習慣を述べる have breakfast では冠詞を付けません。 一方、a big breakfast のように1回の食事を描写すると a を使えます。
無冠詞(スポーツ名)

He plays soccer.

彼はサッカーをします。
解説
スポーツ名の前には冠詞を付けません。play soccer が正しい形です。
英米での違い
hospital などは英米で冠詞の使い方が異なります。まずは school など、共通してよく使う形から覚えましょう。
施設なら何でも無冠詞にはならない
go to school の形を、すべての施設に広げないようにします。 映画を見に行く場合でも go to a movie theater / go to the movie theater のように冠詞を使います。

the Mount Fuji

Mount Fuji

山の名前の Mount Fuji には通常 the を付けません。固有名詞には the United States のように the を含む名前もあるので、名前ごとに形を確認します。

I like a apples.

I like apples.

apples のように複数の形になっている名詞には a を付けません。「リンゴが好き」のように『種類全体』を指すときは冠詞なしのままで使います。

理解度チェック

「the Mount Fuji」が誤りなのはなぜですか。

まとめ

  • a / an・the・無冠詞を「不特定・特定・種類全体」の判断軸で使い分けるルールを理解する
  • a と an の選び方は綴りでなく後ろの単語の発音で決まることを理解する
  • the を使う場面(既出・唯一・楽器・方角など)のルールを理解する
  • 冠詞を付けない場面(食事名・スポーツ名・固有名詞・施設の目的など)のルールを理解する